a Simple Story

「ストーリーの作り方」というのは色々ある。
モーリス・メルローポンティやジャンニ・ロダ−リなどの、
物語の要素を分類したものは、ゼロからストーリーを作る場合には参考になりそうだ。
自分も読み切り漫画を分析した事もあるが、
かなりの確率で「起:承:転:結=1:3:5:1」になっていた。
これは読み心地の良い法則と言えるだろう。


しかし、普通ストーリーゼロからではなく一から作るものなので、
「作り方」というものを意識するとかえってマズイ。
打算であれ情熱であれ、何か「書きたいもの」があるから書くわけで、
これが一となる。
その「書きたいもの」を描くために設定を加え、面白くなるように取捨選択すれば、
ストーリーは既にできあがっている。
「1→2→3→4」と順々に作るのではなくて、「1→全部」か「1→ボツ」のどちらかだ。
できあがってみて納得すれば完成、納得しなければボツ。


プロの場合、できあがらないものでも自分なりの「作り方」でもってこねくり回して、
できあがったように見せる事もあるが、納得してないものを出すのは勇気が要る事だ。
勇気が要るのに誰も褒めないのだから、こんな酷な事は無い。
駄作を見つけたら「勇気がある」「偉い」と褒めてあげればいいのに。